先日、静岡のI社様とM社様にお邪魔させていただきました。事の経緯としては、私が以前鋳造の講習に行っていた際に知り合った静岡のI社とM社の社員の方が弊社へ工場見学に来ていただいたことから始まりました。そして、「次は私が静岡にお邪魔いたします」と回答してから早数か月、、、ようやく念願叶って静岡の地に舞い降りたわけであります。
まず初めに見学させていただいたのはI社様です。こちらの会社は小物の鋳鉄鋳物を得意とされており、0.5-100kg未満がメインの製品を扱っている会社です。生型である程度ロットが見込めるものを回しつつ、単品ものを手込めの自硬性ラインでさばいているようです。また、木型の製作から、鋳造、加工まで垂直統合していることが強みです。また、DXにも積極的に取り組んでおり、工場内のあらゆる場所にカメラが設置しているだけでなく、タブレットを設置し、紙ではなくデータで管理されていました。映像で現場の作業をトレースし、トラブルが起こった際に原因追及を容易にしているようです。また、データで管理することにより現場の状況を離れたところから確認することができます。弊社でも導入したいを思っていたものをすでに導入されていたため、大変勉強になりました。
2件目はM社様に伺わせていただきました。こちらはサイズ的には50kg以上~1.5t以下の鋳物を主力とされています。特徴は、人工砂を使用していることと、樹脂にアルカリフェノールを使用していることです。上記によって、品質面ではベーニングが起こりにくい、鋳型内で介在物が発生しにくい、鋳型の密着性が高く鋳肌が綺麗などの効果を得ることができます。財務面では珪砂と比較して砂の回収率が高く、砂の消費量が少ないこと、樹脂がアルカリ性であるため、酸性のフランと比較して金枠の腐食が軽度に留まります。その他に珪砂と比較して輸送管の損傷が軽いなどのメリットが挙げられます。また、営業にも工夫をされており、客先を産業用ロボット、工作機械、バルブ関係、建機等業界を分けることによって業績を安定させやすい仕組みを構築していました。今年の工作機械業界は見込みとして昨年比売上一割~二割ダウンするところが多く、工作機械にウエイトを置いている鋳物屋さんはなかなか苦戦を強いられているなか、今年はなかなか忙しいと仰っていました。また、採用にも力を入れているようで近隣の高校の就職説明会に参加したり、ワークショップなども開いたりしているようです。会社自体も平均年齢35歳を若く、現場を見ていても比較的若い人が散見されました。
両社共にIT化や人材採用等、弊社においても課題とされている箇所に力を入れており、大変有意義な工場見学となりました。お忙しい中工場見学を受け入れてくださり、ありがとうございました。